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2023年10月9日

後肢のお話

こんにちは、獣医師の相和です。

酷暑と言われた、夏も終わり過ごしやすい季節がやってきました。

皆様はいかがお過ごしでしょうか?

突然ですが、今回はわんちゃんの骨や関節の疾患についてお話します!

私が整形外科の研究室に所属していたこともあり、この分野が好きなので。。笑

まずは後肢からです!

後肢破行の最も多い原因の1つに前十字靭帯の損傷が挙げられます。

人の方ではスポーツ選手などで起こることが多い疾患ですが、ワンちゃんでは慢性疾患(少しずつ痛んでくる)として認識されています。そのため、中高齢での発症が多く、かなりの疼痛と違和感を伴うため、足を挙げてしまうことも少なくありません。

残念なことに断裂した靭帯を元通りにすることはできないため、前十字靭帯が担っていた機能を代償する方法で治療されます。

同じ膝の疾患として非常に多いのが膝蓋骨脱臼です。

小型犬に非常に多く(残念なことに全然珍しくないです)、大型犬にも時折認められます。

脱臼の程度によってグレード分けされ、ひどい場合は脱臼したまま正常な位置に戻らない子もいます。

症状は様々で無症状の子もいれば、時折破行を呈する場合や完全に歩き方がおかしい(骨が変形してしまい正常に歩けない)子もいます。

治療方法も経過観察から外科治療まで、その子にあった様々な方法が選択されます。

次は股関節形成不全です。

これは大型犬に比較的多い疾患ですが、小型犬にも認められることがあります。若い時と中高齢の2峰性(若い時を過ぎれば症状が一旦落ち着く)に症状が出る(痛みを伴う)ことが多いです。

症状の原因としては、関節炎による痛みがメインになってきます

その痛みもわんちゃんによって様々で、とっても痛そうな子もいれば全く症状がない子もいます。

治療方法もわんちゃんの症状に合わせて、外科治療や内科治療(痛み止めやサプリメントなど)を組み合わせて行われます。


↑写真の右側が関節炎の股関節で左側が正常な股関節です。

次に同じ股関節の疾患でレッグカルベペルテス病です。

大腿骨頭に血液が行き渡らないため、骨が壊死してしまう疾患で、若齢の小型犬に多く、強い痛みを伴います。ほとんどの子は痛みで足を挙げてしまいます。

ちなみに人にもあるそうで、自分の知人が罹っていました。ものすごく痛いそうで、足を着いて歩けないほどだそうです。。

治療は多くの場合で外科治療が選択されます。


↑写真の右が罹患している股関節です。

以上が後肢の代表的な疾患です。

次回は前肢の疾患をお話しできればと思います。

歩き方のことなどで違和感を感じたりした場合は、ご相談ください!

これから、どんどん寒くなりますのでお体にお気をつけてお過ごしください。

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